昨晩、昭和の記録が塗り替えられました。日本のプロ野球のシーズンの最多ホームランです。これまでの記録保持者は、もちろん巨人の王貞治選手です。世界のオー。その記録を塗り替えたのは、22歳のヤクルト・村上宗隆選手、56号HR、史上最年少で三冠王です。素晴らしいです。”あっぱれ”です。
わたしは巨人のV9の目撃者です。あのころの巨人のラインナップはソラでも言えます。1番センター柴田、2番セカンド土井、3番サード長嶋、4番ファースト王、高田の背番号は8。左の代打の切り札は柳田。ピッチャーは背番号21の高橋一三、18の堀内、左の新浦、倉田に関本四十四。今の選手たちと比べると、みんなちょっとクセが強かったと思う。
最近、記録を更新する選手を見てみると、野球の村上宗隆選手、大谷翔平選手、スケートの羽生結弦選手、将棋の藤井聡太竜王、みんな、インタビューの受け答えも上手、立ち振る舞いもスマートでナイスガイです。そして、みな20代。
ナイスガイたちの、その他の共通点を探してみる。わたしが最初に浮かんだのは指導者の存在です。村上選手は高津監督。大谷選手の二刀流があるのも当時日本ハムの監督だった栗山監督。羽生選手も10年間コーチを変えなかった。藤井竜王を育てたのは杉本昌隆八段。そして、指導者はみんな50代。
ナイスガイたちは、いい指導者との縁を見逃さなかった。指導者の言葉を信じて、自分を素直に信じることができたのではないだろうか。このことを裏付けるのは、今リーズン残り2試合、13試合ホームランがなかった村上選手を高津監督は試合に出さなかった。そして、今シーズン最後の試合、しかも村上選手は最終打席でホームランを打った。高津監督の長い孤独な闘いを考えると、わたしも胸が痛くなる。その闘いから解放されたように、ベンチから出てきて村上選手を迎える高津監督のガッツポーズもよかった。高津監督にも”あっぱれ”です。
中島正雄