横浜でラーメン店を経営している多田誠さんのご縁で、新橋にある印刷屋の河内屋・國澤良祐さんとお会いするこができました。國澤さんはノートも作って販売もしています。國澤さんが作ったノートを手に取って拝見すると、ノートにPP(薄いビニール)のカバーが着いていました。わたしは國澤さんに「このカバーいいですね」と言いうと、國澤さんは「そうなんです!袋に入れてしまうと、ほとんどの人は袋を捨てますから、もったいないと思って、これいいでしょ」とニコニコして言いました。
浅草橋にある老舗のノートメーカーに行ったとき、社内でパートさん風の女性が二人で、手作業でノートをPP袋に入れているのを見ました。そのときわたしは、M9notesを小売店に出荷するときは、こうすればいいのだと思いました。わたしは、ノートを買ってくれたお客さまは、どうせPP袋は捨ててしまうのに、わざわざノートをPP袋に入れるのはもったいないと思うようになりました。ノートをPP袋に入れるたびに、いけないことをしているのではないかと思うようになっていました。
わたしの仲のいいケーキ屋さんに阿木泰史さんがいます。阿木さんがケーキを作っている所にお邪魔したときのことです。ショートケーキ一の上に乗っている小さい金色の紙のことをケーキピックといいます。間違いなくケーキを買った人は、この紙は食べません。阿木さんは、出来上がったケーキ一つ一つにケーキピックを乗っけながら「中島くん、これお金を乗っけているの同じなんだよ」とこぼしていたことをわたしは今も忘れません。
わたしも阿木さんと同じことをしていると思っていたところに、國澤さんの所でノートのPPのカバーを見つけました。これなら、ノートを買ったお客さまも、もしかするとカバーを着けたまま使ってくれるかもしれません。わたしは國澤さんに「このPPカバーをわたしも買うことができますか」と尋ねると、「できます、できます。後でこのカバーを作っている社長さんをメールで紹介します、わたしからも連絡しておきますので、國澤さから聞いたと連絡してみてください」。さすが、出来る人は行動が早い!
國澤さんからメールが来て、電話をすると「國澤さんから聞いています、今から神保町までお伺いします」。「えぇー」「すごい、本当ですか」。来た球をレシーブしたと思ったら、直ぐに打ち返された感じです。昔のやりとりの感じです。
ということで、M9notesはPPノートカバーを装い、みなさまのところへ行くことになりました。縁で成長することができました。
中島正雄